『魏志倭人伝』に描かれた倭人の風俗

『魏志倭人伝』は3世紀末に書かれた、中国の歴史書『三国志』中の「魏書」第30巻烏丸鮮卑東夷伝(うがんせんびとういでん)倭人条の略称で、邪馬台国や女王卑弥呼の記述があり、日本ではよく知られた書物です。

弥生時代の倭国の統治状況などが注目されていますが、当時の倭人の風習や動植物の様子も記述されています。ここでは『魏志倭人伝』のなかから、風俗に関する記述を紹介します。

ただし著者の陳寿は実際に倭国を訪れたわけではなく、訪れた人々からの伝聞や噂をもとに記された部分も多いとされます。そのため、信憑性に疑問があると指摘する専門家もいることを付け加えておきます。

倭人に関する風俗の主な特徴は以下の通りです。

・男子は刺青(黥面文身)をしており、その図柄は身分によって異なっていた。

・髪は男子が結って留め、女子は束ねていた。

・顔に赤い顔料を塗っていた。

・倭国のなかには、裸国(未開国)と黒歯国(お歯黒を風習とする国)があった。